工場見学で「これだ!」と思った瞬間
ものづくりの現場において、工場選定は非常に重要なプロセスです。私はこれまで何度も新たな工場との出会いを経験してきましたが、その中で「これだ!」と思った瞬間がありました。
今回は、そのエピソードを通じて、工場選定の際に何を大切にすべきか、どんな要素が「成功のカギ」を握っているのかについてお話ししたいと思います。
「これだ!」と感じた瞬間
工場見学の際、最初に目に入ったのは従業員の姿勢でした。元気でハキハキとした挨拶、そしてしっかりとした笑顔。どの社員も、自分の仕事に誇りを持っていることが伝わってきました。こうした雰囲気が、私はとても大切だと考えています。スタッフ一人一人の姿勢が、工場全体の品質や納期への意識に大きく影響を与えるからです。
次に気になったのは、工場内の安全性。見学した工場は、あらゆる作業エリアに安全路がしっかりと確保されており、作業員が安全に働ける環境が整備されていました。安全対策が徹底されている工場は、品質管理がきちんとされている証拠でもあります。
また、電話応対も印象的でした。工場の担当者が電話を取るとき、その対応がとても丁寧でスムーズでした。この小さなことが、実際に取引を始めたときの信頼感につながると感じました。
さらに、工場内が明るく、清潔に保たれていたことも大きなポイントです。働く環境が整っていると、職人たちのモチベーションも自然と高まります。何より、若手が多く、活気にあふれているという点も重要です。新しい技術やアイデアを受け入れる柔軟性がある工場は、今後の成長を感じさせてくれました。
これらの要素は、どれもウェブサイトだけでは決して分からないことです。実際に現場に足を運び、工場の雰囲気やスタッフとのやり取りを通じて初めて感じることができるものばかりです。
工場とのコミュニケーションが成功のカギ
工場選定で大切なのは、最初の「見た目」や「設備の整い具合」だけではありません。その後、どれだけスムーズにコミュニケーションを取れるかが成功のカギを握っています。
例えば、私たちが加工を依頼する部品の用途をしっかりと伝えることが非常に重要です。何のために、その部品が必要なのか、どんな環境で使われるのかを正確に伝えることで、工場側がどれだけ精度を出すべきか、注意すべきポイントが見えてきます。
また、図面には書ききれない詳細な情報をコミュニケーションの中で共有することも欠かせません。加工中に気をつけるべき点や、材質や仕上げについての注意点など、現場の担当者ときちんと話し合うことで、完成品のクオリティが大きく変わります。
工場選定は、単に「いい設備があるか」「納期が守られるか」といった表面的な要素だけでなく、その後のやり取りを通じてどれだけ信頼関係を築けるかが大きなポイントだと感じています。
まとめ
工場見学で「これだ!」と思った瞬間は、ただの設備や作業の進行具合だけでなく、工場全体の雰囲気や従業員の姿勢に触れた時でした。そして、工場選定において重要なのは、最初の印象だけでなく、その後のコミュニケーションが鍵を握っていること。製造現場としっかりと連携し、精度や品質について細かく相談し合える関係を築くことが、成功への近道だと思います。
当社では新規取引の際は必ず工場に伺います。また、メーカー様にも工場で実際の加工を見て頂けるように同行訪問を提案しています。百聞は一見に如かず。現場に行けば技術者同士、意思疎通は一気に進み、設計者は考えられる設計範囲が広がり、現場は新たなアプローチや他業界への知見を得ることが出来ます。商社なのに仕入先を開示して直接繋いでしまうと困るのでは?と言われることもあります。しかし直取引に変わってしまえばそれは売り先、仕入先ともに当社に価値を感じて頂けなかった証拠です。
幸いなことに私の人生でそのようなことは一度も経験していません。日々の信頼関係だけでなく、独立系鉄鋼商社NO.1である阪和興業の看板や調達力が大きな影響を与えたことは想像に難くありません。看板がないスタートアップである当社ブルーリペアが、今お客様にどう評価されているのか、試されながらワクワクドキドキの楽しい日々です。
次回は、「つくる」をテーマに、工場の省力化、自動化について思うことを書きたいと思います。お楽しみに!