モノづくりとヒトづくりの現場から1

「つなぐ、つくる、育てる」経営理念の出発点とスタートアップの課題解決へのアプローチ

「つなぐ、つくる、育てる」—経営理念の出発点

「つなぐ、つくる、育てるを通じて社会のニーズに応える」
これは、私たちが大事にしている経営の考え方です。
「つなぐ」は単に人や物を結びつけるだけでなく、私たちのビジネスにおいては、様々な分野や視点を繋げていくことが非常に重要であるという信念を表しています。
つなぐことで、新たな価値を生み出し、パートナーと共に課題の解決や成長を目指します。

ものづくりスタートアップの課題

今、あるスタートアップから相談を受けています。
テーマは、調達の最適化と、量産に向けた体制づくり。
いわゆる「サプライチェーンマネジメント(SCM)」の支援です。

調達体制におけるリソースの不足や、設計図と製造の間での技術的や感覚のギャップが存在します。そのため、製造に必要な仕入先を確保することや、製造現場と設計図をどのように効果的に連携させるかが課題となっています。さらに、試作と量産の違いを意識しながら、スムーズに量産へ移行する体制を整えることも求められています。

設計図と製造のギャップを埋める

ものづくりにおいて、設計図と製造の間にしばしばギャップが生じます。
設計段階では、技術的な問題がクリアされても、現場において調達や製造の難しさが立ちはだかることがあります。
特に、メーカースペック上はあっても非汎用の材料を使う場合、調達が難しくなるだけでなく、材料選定や塗装などの工程もノウハウが求められるため、スムーズに進まないことが多いです。

製造現場との連携がカギ

製造現場での問題を解決するためには、設計担当者と製造現場のコミュニケーションが欠かせません。
町工場の加工現場での経験から言うと、現場で何が問題になりやすいかを設計段階で予測し、早期に調整することが重要です。
設計図の段階で、材料の選定や製造可能性をしっかりと考慮しておくことが、量産へ進むための第一歩です。

調達体制とノウハウの重要性

調達の問題も重要です。特にスタートアップ企業では、限られたリソースで多くの課題を同時に抱えることになります。
ネットでの仕入先開拓が多い中で、信頼できるパートナーを見つけることは時間がかかります。
そのため、調達ルートの選定と、品質・コストのバランスをとるためのノウハウが必要になります。

試作と量産の違い

試作段階では、柔軟な対応が可能ですが、量産へ進むと話は変わります。
量産では、品質を維持しつつ安定した生産を続けなければならないため、調達から製造、品質管理に至るまでの一貫した体制が求められます。
これを実現するためには、しっかりとした基盤を整えることが欠かせません。
また材料のサイズや選定も歩留まりを意識しながら行う必要があります。

「つなぐ力」で課題を解決

これらの課題を解決するためには、設計と製造、調達と品質管理、すべてを「つなぐ力」が重要になります。ただ単に設計図通りに調達するだけではなく、歩留まり等のコスト要素や製造現場での問題点を事前に予測し、調整しながら進めていくことが肝心です。
また、経験豊富なパートナーと連携し、ノウハウを共有することで、品質とコストの最適化を進めていくことができます。

まとめ

ものづくりにおける課題は多岐にわたりますが、まず意識すべくは関係当事者の感覚や常識のずれです。設計から製造現場までのつながりを強化し、調達から製造、量産までのスムーズな移行を実現することが、成功のカギを握っています。
これからのものづくりでは、効率的なつなぎ方を考えることが、より一層重要になってくるでしょう。

これからも、ものづくりやスタートアップ支援に関する実践的なノウハウを発信していきます。
サプライチェーンの最適化や、設計と製造のギャップを埋める方法、さらに企業の成長を支えるための「つなぐ力」の活かし方など、具体的な事例を交えながらお届けしていきます。
次回の投稿では、製造現場とのより良い連携を築くためのポイントについてお話しする予定ですので、ぜひ楽しみにしてください!