機械装置再生協同組合という新しい挑戦
― ものづくりの未来を“つなぐ・つくる・育てる”ために ―
日本の製造現場では、製造装置を大切に扱っています。古くなった機械や故障した機械を何度もリペアして使っています。(中には100年以上使用されている機械も!)
しかし、近年はその問題も表面化してきました。部品が手に入らない。社内の機械保全人材がおらず技術を承継出来ない。修理履歴が残っていない。機械メーカーが廃業してしまった。メンテナンス外注先が廃業してしまった。
どれも、多くの現場で日常的に起きていることです。
私は全国の工場や修理業の方々と関わる中で、このままでは、大切な技術が途切れ、ものづくりの基盤そのものが弱くなってしまうと危機を覚えました。
そんな危機感が、今回の協同組合立ち上げの原点にあります。
■ なぜ協同組合なのか
組合という形を選んだのは、単に事業をつくりたいからではありません。
業界に散らばる技術や経験を、ひとつの力に束ねる仕組みが必要だったからです。
機械修理業は小規模事業者が多く、優れた技術が“現場に閉じたまま”になりがちです。
また、修理履歴や消耗情報は、本来メーカーにとっても貴重な資源ですが、体系的に蓄積する仕組みがありません。
組合は、こうした“分散している価値”をつなぎ直す器になります。
互いに技術を共有し、受注を助け合い、後継者不足にも備える。
日本のものづくりをもう一段強くするための土台として、この仕組みは欠かせません。
■ 協同組合が提供する価値
今回の組合では、次のような実利と未来価値を実現していきます。
● 修理履歴のアーカイブ化
機械1台ごとに「カルテ」をつくり、再生履歴や弱点、消耗傾向をデータとして記録します。
これはメーカーにとっても、次の開発に活かせる資源になります。
● 職人スキルの可視化
熟練技術は属人的で、可視化されにくいものです。
スキルデータを蓄積することで、将来的には「必要な時に適切な技術者を呼べる世界」をつくります。
● 共同受注・マッチングの仕組み
全国の修理業者が相互に案件を紹介し合い、技術を補完し合える体制を整えます。
● 組合員メリット
- 会員価格での部品購入・装置販売
- 作業ノウハウの共有
- 技術勉強会・研修
- 若手育成の仕組み
- 技術継承のバックアップ
中小の修理業が単独では持てない力を、組合として持つことで“戦える産業・みんなが働きたい業界”へ進化させていきます。
■ なぜブルーリペアが旗を振るのか
ブルーリペアは創業以来、「つなぐ・つくる・育てる」という姿勢を軸に、機械修理・メンテナンス支援・技術承継に取り組んできました。
私は多くの現場で、
「この技術があれば、まだ動くのに」
「人手さえあれば、もっと助けられるのに」
という瞬間を何度も見てきました。
技術は誰かの財産であり、同時に社会の財産でもあります。
それを循環させる仕組みがあれば、もっと多くの工場が救われ、もっと多くの技術者が輝ける。
ブルーリペアはその“つなぎ役”として動きたいと考えています。
組合は、私たちがこれまでに築いてきた人脈・経験・現場知見を総動員して取り組むプロジェクトです。
■ 組合がつくる未来
組合が本格的に動き出すと、産業の当たり前が変わります。
- 機械の故障が「誰に頼めばいいか分からない」から解放される
- 職人の技術が正当に評価され、仕事機会が広がる
- 廃棄されるはずの機械が再生され、循環型社会に寄与する
- 若いエンジニアが「この業界で働きたい」と言える未来が生まれる
- メーカーは実地データを得て、より良い製品開発が進む
機械をつくる人、直す人、使う人がつながり直し、
産業全体が“育っていく”ような仕組みを形にしていきます。
■ これからの取り組み
現在、組合では次の準備を進めています。
- 組合員データベース(組合アプリ)の開発
- 修理履歴の標準化・データ管理の仕組みづくり
- スキル認定・教育体系の検討
- 組合員向けの共同受注フロー構築
- 技術セミナー・研修プログラムの設計
一歩ずつ、しかし確実に現場の課題に寄り添いながら進めていきます。
■ 最後に
この機械装置再生協同組合は、ブルーリペアだけのプロジェクトではありません。
全国の修理業者、メーカー、そして現場で働く人たちと一緒につくる共同体です。
技術を未来につなぐために。
ものづくりの現場をもっと良くするために。
エンジニアが誇りを持てる産業にするために。
ゆっくりでも着実に、少しずつ仲間を増やしながら進めていきます。
興味を持ってくださった方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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