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Startup JAPANで得た刺激と、帰り道に出会った“母の決意”

今日は、東京ビッグサイトで開催された「Startup JAPAN 2025」に参加してきました。
スタートアップ業界に関わる全ての人々が集うイベントで、様々な業種の企業がブースを出しており、事業の話を聞いたり、直接会話をしたり、とても刺激的な時間を過ごしました。

「自分たちのサービスで社会をどう変えていくか」
「今の課題をどう解決するか」
そんな熱気が会場全体にあふれていて、たくさんの知見を得ることができました。
初めての参加でしたが、本当に有意義な1日でした。

……しかし、本当の“忘れられない出会い”は、帰り道に待っていました。


午後3時30分に国際展示場を出発し、埼玉の自宅に着いたのはなんと深夜0時40分。
高崎線で起きた貨物列車の故障の影響で、電車は止まり、身動きが取れなくなってしまいました。

移動中も仕事はしていましたが、スマホの充電も底をつき、何もできなくなった頃。
熊谷駅の改札外で座っていたとき、1人の僕と同じ年くらいの女性に出会いました。

その方は、1人で寒さに震えながら母親の迎えを待っていたのですが、どうやらスマホの充電が切れて連絡も取れない状態とのこと。
声をかけると、少し驚いた表情をしながらも状況を教えてくれました。

そして話しているうちに、その女性が一児の母であることを知りました。
生後8ヶ月の女の子の写真を見せてくれながら、嬉しそうに話してくれたのですが——
ふと、違和感に気づきました。写真が、生まれたばかりの頃のものしかなかったのです。

理由を尋ねると、娘さんは生後1ヶ月で肝臓の異常が見つかり、今は面会もままならない生活をしていると教えてくれました。
そして、ドナーを待つ時間がないため、自らの肝臓を提供して移植手術に臨むと。

「今日は、移植前に自分の好きなことをしていい日だったんです」
そう言って、ネイルと美容院に行ってきたことを笑顔で話してくれました。
その笑顔の裏に、どれほどの不安や葛藤があるのか、想像しただけで胸が詰まりました。

すでに23時を回っていましたが、「夜ご飯、食べました?」と聞くと、
「今日、一食も食べてないんです」と苦笑い。

お母さんと改札で待ち合わせているけれど、お母さんの携帯も充電が切れていて、何時に出てくるかわからない。
寒い中ずっと1人で待っていたそうです。

あまりに寒そうだったので、僕は自分のジャケットを貸してあげました。
それでもお腹は空いているだろうと、近くのコンビニでおにぎりと温かい飲み物と、食べ物を買って渡しました。

「本当にいいんですか…?助かります」
少し涙ぐむ姿を見て、何もできない自分が悔しかったけれど、ほんの少しでも力になれたなら、それで十分だと思えた夜でした。

その直後、ようやく僕の電車が動き始めました。
別れ際、「頑張ってください」と伝えると、
「ありがとうございます」と深く頭を下げられました。


まとめ

人生で何が起こるかなんて、本当に分からない。
午前中は未来の事業の話で盛り上がり、夜には命をかけた決断をする母親と出会った

どちらも「生きる」ということのリアルで、自分がこの日体験した両方の世界に、ただただ心が揺れました。

今日出会った彼女と、その小さな娘さん、そしてご家族が、無事に手術を乗り越えて、幸せな日々を送れることを心から願っています。

そして僕も、目の前の人や仕事にもっと真摯に向き合っていきたい。
そんなふうに思った、濃く、深く、忘れられない1日でした。