モノづくりとヒトづくりの現場から5

幼少期に育まれた “世のため人のため” の心

モノづくりとヒトづくり。今、私が取り組んでいる活動には、幼少期から育まれてきた思いとつながりがあります。
なぜこの道を選んだのか。その原点を少しずつ、振り返ってみたいと思います。


幼少期から学生時代の経験

家業と家族との絆

私は、ホテルのオーナー一族に生まれ、幼い頃から自然と経営の世界に触れて育ちました。
社長であった祖父からは、商売の本質と、人を育てることの大切さを学びました。市長を務めた曾祖父の残した業績からは、「世のため、人のため」に生きるという強い信念を感じ取りました。

家族にも恵まれました。高校教師の父、幼稚園教諭だった母、そして妹2人と弟1人。
週末には父の生徒たちがよく家に遊びに来てくれ、一緒に遊んでもらいながら勉強も教わりました。
にぎやかでオープンで、来客の絶えない家庭でした。

転機:アメリカでの生活と価値観の広がり

転機が訪れたのは小学4年生。父の仕事の都合で、家族でアメリカに1年間移住することに。
現地校に通い、新しい文化と自由な価値観に触れたことで、私は「自由の素晴らしさ」を体感しました。人は、自分で考え、選び、行動できる。その喜びを知った貴重な経験でした。


秩父のキャンプとリーダーシップの目覚め

そして、小学5年生の夏。
秩父の県営施設で開催されたサマーキャンプに参加したことが、私の人生を大きく動かします。
仲間と協力し、リーダーシップを発揮することの楽しさに目覚めたのです。
この体験が、今も私の心の中心にあります。

10年ほど前にそのキャンプ施設が閉鎖されたとき、私は心に誓いました。
「必ずまた、あのようなキャンプを再開する」と。
それは、子どもたちに自由と挑戦の場を提供したいという、私自身の強い願いでもありました。

①埼玉県内に2店舗ある埼玉グランドホテル
②秩父市にあった埼玉県青少年総合野外活動センター